便秘の医学・その治療と予防

便秘は、家族や友人にも言えない症状です。便秘は、特に女性や高齢者に多くみられる症状ですが、便秘のことよく知らない人が多いです。そこで、さまざまな状況で生じる便秘についてお話します。

膀胱炎と便秘:繰り返す膀胱炎の原因は便秘!

膀胱炎は、「女性の病気」といってもよいほど女性に多い病気です。膀胱炎の原因は、便の中に含まれる大腸菌です。便中の大腸菌が膀胱炎の原因菌となって、膀胱炎が発症します。膀胱炎が発症しますと、頻尿、排尿痛、血尿、尿の濁りや尿の悪臭が生じます。また、膀胱炎は、膀胱のみならず、尿道炎や腎盂腎炎の原因ともなります。膀胱炎の治療には抗生物質(抗生剤)が用いられ、1週間程度で完治するのですが、完治後も、膀胱炎を何回も繰り返す女性も非常に多いです。便秘は女性に多くみられる症状です。便秘になりますと、膀胱炎の原因菌である大腸菌が増えてしまい、それが原因となって膀胱炎が引き起こされます。便秘は、膀胱炎を繰り返す原因となるのです。膀胱炎あるいは繰り返す膀胱炎の予防対策は、まずは便秘の解消と予防及び膀胱炎の原因菌となる大腸菌などの悪玉菌が減った腸内環境の改善となります。水溶性食物繊維であるイヌリン水溶性食物繊維などのプレバイオティクスは、便秘を解消すると同時に、ビフィズス菌酪酸菌や乳酸菌などの善玉菌を特異的に増やすことによって腸内環境を整え、膀胱炎の原因となる大腸菌等の悪玉菌を減らします。膀胱炎の原因菌となる大腸菌などの悪玉菌を減らすことが、繰り返す膀胱炎の対策となります。ここでは、繰り返す膀胱炎と便秘との関係についてお話します。

 

 

膀胱炎の症状

  膀胱炎には、急性膀胱炎と慢性膀胱炎の2つがあります。女性に多い単に膀胱炎という場合は、一般に急性膀胱炎のことを指します。20~40歳の女性の25~35%が、急性膀胱炎に罹るといわれています。

 急性膀胱炎は、文字通り、急に膀胱炎を発症する疾患のことをいいます。膀胱炎を発症する直前まで、普段の健康な状態なのですが、突然に膀胱炎の症状が現れます。トイレ後に残尿感があったり、排尿後下腹部にヒリヒリする痛みを感じたなら、それは急性膀胱炎によるものかもしれません。急性膀胱炎で生じる症状の持続期間は平均で6日程度であるとされています。

 急性膀胱炎の主な症状は、排尿痛、頻尿及び尿混濁の3つです。排尿痛とは、おしっこをするときに痛みを感じることです。急性膀胱炎では、特に排尿の終わりごろに強い痛みを感じます。排尿によって、炎症を起こした膀胱が縮まりますが、その膀胱の収縮という刺激によって痛みを感じるようになります。下腹部や尿道口に痛みを感じることが多く、膀胱炎が悪化した場合には、焼けつくような強い痛みを感じます。頻尿とは、尿意を感じる回数が多くなることをいいます。1日あたり10回以上、トイレに行きたくなる状態を頻尿といいます。膀胱炎では、排尿後に残尿感があり、トイレに行った数分後にまた尿意を感じる人も少なくありません。これは、膀胱の炎症によって、尿意刺激が頻繁に起こるためです。膀胱に炎症が生じますと、炎症の部位に血液に含まれる白血球が防御のために集積します。この白血球が尿に混ざりますと、尿の色が白っぽく濁ります。これを尿混濁といいます。しばしば血液中の赤血球が尿に含まれ、尿の色が赤くなることがあります。これを血尿といいます。膀胱炎では、尿混濁や血尿が生じることがあります。また、膀胱炎では、尿のニオイが強くなり、悪臭となることもあります。

 膀胱炎が再発を繰り返すようになり、半年の期間で数回、膀胱炎が生じるようですと慢性膀胱炎と診断されます。自覚症状が急性膀胱炎よりも軽度あるいは自覚症状がないにもかかわらず、尿の細菌検査を行いますと、正常時とは異なり、多くの細菌が検出されることがあります。単に、尿中に細菌が検出されるだけでは、膀胱炎が生じているとはいえません。細菌によって膀胱が炎症を起こしているか否かは、尿中に血球が混入しているか否かで診断されます。通常、尿中に赤血球の混入がみられれば急性膀胱炎と診断され、白血球の混入があれば慢性膀胱炎と診断されるでしょう。慢性膀胱炎は、持続的な細菌による感染が原因となりますが、膀胱炎の症状は、時に発現しあるいはまったく症状がない場合もあります、慢性膀胱炎の特徴は、半年間という比較的短い期間で膀胱炎が何度も繰り返すことにあります。

 慢性膀胱炎とは異なり、年単位で膀胱炎を繰り返すことがあります。ほぼ毎年膀胱炎を発症するとか、2~3年に1度、膀胱炎を発症するケースです。5年に1度、あるいは10年に1度、このような比較的長い期間で膀胱炎を繰り返す女性も非常に多いです。このタイプの膀胱炎は、慢性膀胱炎ではなく、急性膀胱炎の繰り返しであると考えられます。症状は、急性膀胱炎の症状と全く同じとなります。このように、膀胱炎を繰り返す場合、慢性膀胱炎と急性膀胱炎の繰り返しの2つのケースがあります。

膀胱炎の原因

  膀胱炎の原因は、女性の体の構造、細菌感染源となる腸内環境、冷え・疲れ・ストレスなどによる免疫防御力の低下、が考えられます。また、生理・月経や性交渉(セックス)も、膀胱炎の原因となります。膀胱炎が生じる原因は、糞便中に含まれる腸内細菌によるものです。女性で膀胱炎が多い理由は、女性の体の構造にあります。男性に比べて女性では、糞便の排泄口である肛門と尿の排泄口である尿道口が、数センチメートルと接近しています。そのため、膀胱炎を引き起こす糞便中の細菌が容易に尿道口に入り、尿道内にある尿を逆流して膀胱内に到達します。膀胱内に到達した細菌は、そこで定住し繁殖するのです。このような経緯をたどり、結果として糞便中の細菌が女性の膀胱内で繁殖し、その菌が増殖することとなります。膀胱内で糞便中の細菌が増えますと、その細菌が膀胱粘膜に侵入することとなり、細菌の膀胱粘膜感染が生じることになります。細菌が、膀胱粘膜に侵入しますと、体の防御反応として侵入した細菌を退治するために白血球が感染部位に集まるのです。膀胱炎で尿混濁あるいは尿の異臭が生じるのはこのためです。女性の尿道の長さは、4~5cmです。つまり、女性の場合、尿道口から膀胱までの距離が非常に短いために、容易に糞便中の細菌が膀胱内に侵入することができるのです。他方、男性の場合、肛門と尿道口(ペニスの先端)との間が離れていますので、糞便中の細菌は、容易に尿道口に到達することができず、それにより男性では膀胱炎の発症が少なくなります。

 ウォシュレットはおしりを洗浄するので清潔だと思われている女性も多いと思います。しかし、ウォシュレットによる肛門の洗浄は、その水洗によって、糞便中の細菌が広がる危険性があります。ウォシュレットはむしろ膀胱炎の発症リスクが高まりますので、注意が必要です。排便後、トイレットペーパーは、必ず前から後ろの方向で拭き取るようにしてください。肛門から前の方向に拭き取りますと、糞便中の細菌が尿道口に入りやすくなり、膀胱炎の危険性が高まります。

 膀胱炎のほとんどが、便に含まれる大腸菌によって発症します。急性膀胱炎の70~95%が大腸菌を原因菌としたものです。大腸菌以外では、ブドウ球菌、プロテウス、肺炎桿菌、腸球菌などによる膀胱炎の発症もみられます。しかし、それらの菌による急性膀胱炎の発症頻度は相対的に低いので、急性膀胱炎の原因菌は大腸菌であるといっても過言ではないでしょう。他方、慢性膀胱炎についても主要な原因菌は大腸菌ですが、緑膿菌、腸球菌あるいはブドウ球菌を原因菌とした発症頻度が高くなる傾向がみられます。これらの原因菌も、糞便中に含まれる細菌となります。膀胱炎の原因菌となる大腸菌は、大腸内に生息する腸内細菌の一種ですが、体に害を与えることから、一般に悪玉菌の一種であるとされています。

膀胱炎を繰り返す原因

  女性にとって膀胱炎は、繰り返すことの多い病気、感染症です。膀胱炎を何回も繰り返した経験のある女性もきっと多いことでしょう。膀胱炎を繰り返す原因は、肛門と尿道口が接近しているという女性特有の体の構造によるものです。そのため、便に含まれる大腸菌等の原因菌が容易に尿道口に侵入することができ膀胱炎が発症してしまうのです。膀胱炎が抗生剤の治療で完治しても、体の構造から、また原因菌が膀胱内に侵入しますので、膀胱炎は繰り返すこととなります。

 その他、膀胱炎を繰り返す原因として意外に多いのが、抗生剤の治療を途中で打ち切ってしまうことで膀胱炎が再発することです。膀胱炎の原因菌は、抗生剤によって完全に殺菌されます。しかし、膀胱内の原因菌を完全に殺菌するためには、約1週間かかります。病院ではそれを考慮して、抗生剤の処方を約1週間分行います。ところが、抗生剤を飲み始めて2、3日で症状が改善され、抗生剤の服用を自らの判断で中止することがあります。このような場合、患者さんは膀胱炎が治ったと思い抗生剤の服用を中止するのですが、実は膀胱炎の症状が消えても、膀胱の中にはまだ原因菌が生き残っていることがあるのです。膀胱内で生き残った原因菌は、また増殖し増えますので、治ったと思っていた膀胱炎が再度繰り返すことになるのです。抗生剤による原因菌の殺菌は、膀胱炎の症状の有無にかかわらず、完全に行う必要があります。耐性菌の出現を予防する観点からも、処方された抗生剤のお薬を飲みきることが大切です。

 急性膀胱炎の初期で、膀胱内の細菌感染がさほど大きくない場合、膀胱炎が自然治癒することがあります。膀胱炎の自覚症状が軽度である場合、病院に行かない女性も多いのではないでしょうか。また、病院の診察においても、症状がとりわけ軽度の場合、抗生剤の処方を見合わせ自然治癒の経過を観察することもあります。このような場合、後で述べる膀胱炎予防対策での対処法が有効となります。

膀胱炎と便秘との関係

  膀胱炎を発症するあるいは膀胱炎を繰り返す女性の多くは便秘体質の方です。便秘体質の女性は、膀胱炎にも罹りやすくなります。前にも述べましたように、膀胱炎の原因菌のほとんどが大腸菌によるものです。便秘になりますと、便中の大腸菌が爆発的に増えます。便秘で大腸菌が増えた分、大腸菌尿道口に侵入する確率も高まり、その結果、膀胱炎を発症する確率も高まるのです。女性の膀胱炎の原因は、便秘であるとの報告もあるくらい、膀胱炎と便秘との関係は、密接に関連しているのです。便秘になりますと、腸内細菌の悪玉菌が増え、それにより膀胱炎の発症リスクが高まるということになります。便秘を改善・予防し、さらに大腸内の大腸菌をはじめとした悪玉菌を減らすことが、膀胱炎あるいは繰り返す膀胱炎の予防対策となるのです。

膀胱炎及び繰り返す膀胱炎の予防対策

  膀胱炎あるいは繰り返す膀胱炎の予防対策は、第一に、便秘の改善と予防、第二に、腸内細菌に含まれる大腸菌等の悪玉菌を減らすこと、等の2つの対策が同時に必要となります。下剤や便秘薬は、便秘の改善に効果を発揮しますが、便秘の予防にはつながりません。また、便秘薬や下剤には、腸内細菌の悪玉菌のみを減らす作用もございません。つまり、便秘薬や下剤には、膀胱炎対策で必要とされる2つの要件を満たすことができないということになります。

 それでは、膀胱炎対策で必要とされる2つの要件を満たす対策にはどのようなものがあるのでしょうか。この2つの要件を同時に満たすことができるのが、イヌリン水溶性食物繊維をはじめとしたプレバイオティク効果のある成分です。イヌリン水溶性食物繊維は、大腸に生息するビフィズス菌酪酸菌や乳酸菌などの善玉菌の栄養源となって、それらの善玉菌を増やす働きがあります。大腸に生息する腸内細菌は、ビフィズス菌などの善玉菌と大腸菌などの悪玉菌が混じった状態で存在しています。大腸内の腸内細菌数は、善玉菌及び悪玉菌を含め一定の数で維持されています。イヌリン水溶性食物繊維等のプレバイオティクスを服用しますと、ビフィズス菌などの善玉菌は大腸内で増えますが、腸内細菌の総数は、一定に保たれるために、善玉菌が増えた分、悪玉菌は減ることとなります。

 イヌリン水溶性食物繊維は、ビフィズス菌などの善玉菌を増やすことによって、硬くなった便を軟らかくし自然な排便を促進し便秘を解消させます。また、それと同時に、大腸内の腸内環境を改善させ、大腸菌などの悪玉菌を減らします。このように、イヌリン水溶性食物繊維は、便秘の改善・予防と腸内環境を改善させるという2つの機能があるのです。このように、膀胱炎あるいは繰り返す膀胱炎の予防対策には、イヌリン水溶性食物繊維が最適であるといえます。刺激性下剤である便秘薬は、便秘には有効であるのですが、腸内環境を改善させる効果はございません。従いまして、膀胱炎対策に便秘薬は不十分であるといえます。今では、スティムフローラのように、不純物を全く含まない高純度のイヌリン水溶性食物繊維が、健康補助食品として市販されています。膀胱炎、繰り返す膀胱炎の改善と予防に、このような健康補助食品を活用することも、とても有効となります。

 膀胱炎あるいは繰り返す膀胱炎の対策には、便秘の改善・予防と腸内環境の改善の2つを同時に対処する必要があります。膀胱炎を放置しますと、腎盂腎炎という生命に危険が及ぶ重篤な病気に進展することがあります。単に、膀胱炎と侮ることなく、日頃から膀胱炎対策を意識して継続的に対処することがとても大切となります。イヌリン水溶性食物繊維は、野菜や根菜類に含まれる食品成分ですので、長期にわたり安全で継続して膀胱炎対策ができる唯一の食品有効成分となります。

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